『生き残るSE』

  • 意志の強さと問題意識には共感したが、根拠には共感できず-

インドや東南アジアにおいてSEはエリートが、高度な教育を受けてなる職業である。
それに対して、日本のSEはコスト面でもスピードでも追いつけない。生き残れない。
日本人の技術者は「技術バカ」ではなく、顧客や経営の事を理解し新しいビジネスを作ったり、
集団をマネージメントできる「ビジネスエンジニア」を目指すべきだ。

1章のテーマ設定(What)は、IT業界で働く私も感じていた事であったので、共感できた。
だが、2勝以降のどのように、日本のSE、SIerは生き残るか?(How)の部分で疑問が沸いてきた。
著者が代表を務める会社での実例が出ているのだが、それはあくまで著者の会社での話なだけだ。
他社との比較がなく「ふーん」で終わってしまった。「大和魂」「海兵隊」「社内テロリスト」言葉はインパクトが強いけど、私は賛同できなかった。なぜなら、今までの常識が通用しない世界で、新しい答えを出すのではなく、昔に戻れと言われてるように感じたからだ。それくらい、切羽詰まってるのかもしれないが。


実業家としての意志の強さは感じた。テーマ設定もとても良い。
だからこそ、2章以降の根拠ををもっと練ってから書いて欲しかった。

生き残るSE

生き残るSE