高校生の男の子を主人公に、暴力を振るう父と自分とのつながりに苦悩する姿を書いた『共喰い』

寝たきりの曾祖父と介護をする祖母、母親との交流を釣りを通じて描かれる『第三紀層の魚』
 どちらもテーマは「つながり」具体的に言えば「親子のつながり」「血のつながり」である。

『共食い』の主人公は悩む、父の持つ暴力性が自分にもあるのじゃないか。欲望のために暴力を振う
父を否定しつつも、父に似ている部分を見つけてしまう。自分の衝動を抑えられなくなる主人公、
そして父の限度を超えた行動に、産みの母親がとった行動とは。。。

 普段は読まない文学作品、でも芥川賞の作品は読むようにしている。
自分でアルバイトしたお金で買った本は『介護入門』だったと記憶している。私は、論理的で明快な分野の文章が好きで、文学はあまり好きではない。芥川賞の作品は、明確に説明できない人間の心について言葉を選び書いている。その事が、芥川賞作品に惹かれる理由かもしれない。

共喰い

共喰い